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> 「お産の家」でいのちが生まれる
緑多き杉並の地に小さな「お産の家」を構え、2度目の春です。「お産の家」は、木の家で、1階が産科の診療所、2階は当直室を兼ねた自宅です。季節が春から夏へと移りゆくなかで、お産とともに日々を暮らしています。大きく開いた窓の外に緑と青空が広がり、明るい日ざしが射しこみます。この家から大きな自然につながり、守られて、私の暮らしと仕事があると感じます。コンクリートの向こうに狭い灰色の空が広がっていた、都心のマンション暮らしの頃には想像もできなかったことです。
この土地には、以前、老夫婦がお住まいでした。その庭には木がたくさんありました。「お産の家」の建築にあたり、一時的な移植などの方法で、ほとんどの木たちを残しました。その上で、株立ちのケヤキをはじめ何本かを足し、すべての木が仲良く、家とすてきに調和しているのは、建築家と造園家の力量です。
ところで、とりわけ厳しかった冬の寒さのためか、今年の春はまるで北国のように、一足飛びにやって来ました。朝が来るたび、つぼみが膨らみ、花が開き、庭の様子が春色に変化しました。惜しみなく射しこむ朝日がまぶしくて、そんな光のなかに生まれてくるまっさらの子どもたちがいて、「生きているって、こういうことに違いない」と思います。
そこで、まず、お産の家の春から初夏の様子をご披露します。
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