鈴木重子プロデュース
風のフォーラム2006
vol.4 いのちを、はぐくむ、いのち
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泣かないようにする為に、できるだけスクリーンを見ずに歌った重子さん。 |
今回は誌面の都合上、全部の対談の様子を掲載する事はできませんけれど、対談はそんなお二人の出会いの話から始まり、大野先生がなぜ産科医を目指そうとなさったのか、ご自身の出産体験や、当時と現在の出産事情等の話を交えながら、研修医時代、勤務医時代から開業に至るまでの道のり、そしてお産の家を創るに至った経緯へと話は進んでいきました。
そんな中で、重子さんが信念を持って進む大野先生に「自分に正直なんですね」と言うと、大野先生は「我慢弱いんです(笑)」と。続けて「ただ自分に正直でありたいということと、目の前の産婦さん、患者さんに対して、誠実であるということが一致するような医療がしたいと思っていました。」と話されました。
その後、自然分娩についてや、安産、おっぱいについて話が進む中で、いかに本来あたりまえなことが、あたりまえにできていないのかということに気づかされました。本来おっぱいは赤ちゃんにとって大切なもの。それでも1ヵ月健診の時までに、おっぱいだけで育った子は全国平均で45%ほどという現状。大野先生が繰り返し言われている、現在の産科医療を取り巻く厳しい現状。悲しい現状にどうしたらいいのか途方にくれてしまいそうですが、今の私たちにできることとは?
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終演後、久しぶりのうれしい対面のシーンがたくさんありました。 |
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重子さんが言ったことに「子どもが産まれて特に最初のとき、肌にさわる感覚というのか、お母さんにほんとうに近くにいてもらって、愛されて愛されて、欲しいだけおっぱいも愛情ももらって育った、という記憶が、その子どもの人格の基礎にくるのだと思うんです」とありました。これはやはり大野先生がよく言われる「人は愛されることで育つ」ということでしょう。
対談の最後に大野先生が言われました。「いのちが繋がって、人と人との営みが繋がっていって、そして愛情が繋がっていくということを、次の世代に繋げていく。これが私たちの使命だと思います」。今できる精一杯のことを、ひとつひとつ大切になされているお二人の言葉に、とてもこころを打たれました。
休憩をはさんで、重子さんの歌、そして、質問コーナーと続きます。
質問コーナーでは、たくさんの質問に、なかにはとても難しい質問もありましたが、ひとつひとつ分かりやすく、丁寧に答えくださいました。
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すべてを終えて。
「とにかく感謝の気持ちでいっぱいです。日々お産に向きあっている先生の存在感が、会場の空気をつくってくれました。」と重子さんから最後にひと言。 |
そして、このフォーラムの最後は「お産のフォトストーリー」で締めくくられました。当日会場には宮崎雅子さんのお姿も。80枚の写真に、大野先生がリクエストされた3曲、『Pieces of a Dream』『いつもありがとう』『Amazing Grace』を、生のピアノ演奏にあわせて重子さんがしっとりと歌われました。大きなスクリーンに映し出される、ひとつひとつのあたたかい家族のストーリーに、シンプルな言葉の数々が、時には繊細で、そして時には力強い重子さんの歌声にのって、こころの奥深くに響きます。自然とあふれる涙をぬぐう方も多く、それはそれは感動的なひと時でした。すべてを終えた会場が、ほんとうにあたたかい空気で包まれ、会場をあとにする人たちの明るい笑顔がとても印象的フォーラムでした。
※今回,大野先生がフォトストーリーで重子さんにリクエストされた3曲は、すべて6thアルバム「My Best Friends」に収録されています。
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