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> 子どもを産んで、産科医になる
-子育てしながら産科医療にたずさわる皆さまへ-
現在、産科医と助産師の不足が顕在化しています。助産師の場合、現場にいる人と、結婚・育児などの理由で現在働いていない潜在助産師の割合が半々です。お産という時間を選べない仕事と子育ての両立の困難さの証明でしょう。また、産婦人科医の中では女性の割合が急速に増加し、20代では70%を占めます。今後、かつての男性産科医並みに働ける女性産科医ばかりではないので、不足にさらに拍車がかかると予想されます。
子育て期間、たくさんの人に助けられ、曲がりなりにも産科医を続けました。仕事を継続できたのは、お産の魅力、赤ちゃんの魅力に魅せられ、この仕事が好きなこと、自然なお産をお世話することの大切さを日々実感しているからだと思います。お産のとき大切にされた人は、生まれてきた小さなひとを大切にすることができる、お産は子どもをかわいがるちからの源だと、お世話した母子から学びました。
子どもがほぼ手を離れてわかったことは、私の職業人としての人生は、まだ半ばだということです。これから、妊娠・出産をなさる産科医療者の皆さまにぜひお伝えしたいことは、なんとか継続さえしていれば、いずれ必ず子どもは育つこと、子育ての経験は確実に仕事に生きること、そして子育て後の職業人生がまだまだ長いことです。産科医療は未来を紡ぐ仕事です。まわりにたくさん助けてもらって、どうか、細々とでもいいので、続けてください。
-皆で支えあいを-
子育ては、山あり、谷あり、自分自身を試されるような日々でした。けれども、終わってみれば、本当に短い、せつないほど貴重で甘い時間です。
子どもにとって、おかあさん以上の人はいません。子どもがかわいくて仕方がなくても、だからこそ、つらくなるときもあります。先が見えなくて、おかあさんがつらくなってしまったとき、さしのべてくれる手があれば、踏ん張れます。児童虐待の報道に心が痛みます。皆で支えあいをと願います。
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