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【講演要旨】 『子どもを選ばないことを選ぶ』
真摯にいのちに向き合うとき、私たちが考えている以上に人は霊的存在であり、お産は霊的体験であると感じる。大きなちからに守られて、いのちがいのちを産み、つぎの世代につながる。

そんなふうにいのちの営みをとらえるとき、新しいいのちをなにかの基準で選別することなど出来ようはずもない。いのちはすべて、まったきいのちである。今、ここに生きているいのちは、生まれてくる力を持ったいのちであり、今、ここに育とうとしているいのちは、この世を生き抜く力のあるいのちである。

東京の片隅で、自然なお産の実践をめざし、分娩台も手術室も持たない小さな診療所を開設して7年が過ぎた。これまで1400人の赤ちゃんが生まれ、98%のお産で帝王切開が必要なかった。みずからの力で子どもを産む喜びは、産む人に自分の身体に対する信頼感や肯定的感情を呼び起こす。また、お産のとき、周囲の人から大切にされる信頼感や安心感は、彼女が守るべき小さな人を大切にする力をはぐくむ。子どもをかわいがるちからの源はお産にある。子どもを「ありのままに受け容れる」力も、おそらく、お産から始まる。そして、愛されている子どもは愛情のオーラを放ち、完全に愛されている自信は、深い自己肯定感につながる。

これまでのお産の実践を通じて、おかあさんたちと子どもたちから教えられたことの一端をお話ししたい。
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