明日香医院
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明日香医院のインテリア<2004年>
椎名啓二プロフィール
玄関
受付・待合
洗面・トイレ
おしゃべりの部屋
受付・待合
椎名啓二 あすかネット会報 22号, 1ページ, 2004

今回はちょっと窮屈なお話しです。明日香医院の受付スペースはかなり狭いですよね。妊婦さんのお腹のように膨らませた受付カウンターの中は、事務機能でいっぱいなんです。パソコン、電話、ファックス、コピーとプリンター。それにたくさんのカルテや書類。キャスターを付けた小椅子に座ったままでも、居ながらにして全てに手が届いてしまうようです。

待合のスペースも然り。無理をしても3人。小さな子が一緒のときなどは、ベンチの下にあるスツールに座らせたりして。何かのときに、スタッフのかたたちやほかの産婦さんなどと、お尻とお尻ですれ違ったりしていると、知らず知らずのうちに自然とコミュニケーションがとれてしまっていたりして?

プライバシー重視の大きな病院ではたぶん一番嫌われることではないのでしょうか。

植物系のオイルで仕上げてある、しっとりとした無垢のフローリングや木のカウンター。初夏には黄色や緑色の洗いたての木綿のクッションカバー。手入れに手間ひまのかかる内装で、産婦さんをお迎えしたりすることは、大病院ではきっと無理でしょうね。

いざ、お産となれば、いつも忙しそうなスタッフのかたたちが飾ってくれる棚の片隅の季節の花なども、家庭的な雰囲気の明日香医院の一部になっていますよね。

いつからか、広いことが一番だと願ってきた日本の住い。でも、そこで生活している人の「心遣い」や「しつらい」次第で、少しは居心地の良い距離ができるかもしれませんね。
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