明日香医院
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予防接種の話
第1回 予防接種を受けた方がいいですか
第2回 麻疹(はしか)
第3回 インフルエンザ
第4回 水痘
第5回 風疹(1)
第5回 風疹(1)
あすかネット会報 23号, 17ページ, 2004

今回から2回にわけて、その流行がさかんに新聞報道されている風疹について書きます。そして今回の結論も、子どもたちの予防接種を受けていただきたいということです。

風疹ウィルスによって起こる病気には、『風疹』のほかに『先天性風疹症候群(CRS)』があります。

風疹
『風疹』は気道を経由して感染後、14〜21日の潜伏期を経て発症し、発疹が発熱とともに出現します。『三日ばしか』などとも呼ばれるように、発疹は3日ほどで消退します。リンパ節腫脹を伴うこともあります。一般には軽い病気なのですが、年長児や成人では、関節炎を伴うことや、まれに重症化することもあります。不顕性感染といって、感染してもはっきりした症状が出ないものや、症状が非典型的なものが、約30%程度あるとされています。

先天性風疹症候群
産科的に問題になるのは、『先天性風疹症候群』です。
風疹の免疫のない妊婦が妊娠20週頃までに風疹に「初感染」すると、胎盤を経由して胎児にウィルス感染が起こることがあります。このように胎内で胎児が感染した場合、低出生体重などの一過性の症状のほか、先天性の障害を残すことがあります。

主な先天性の異常の代表的なものに白内障、心疾患、高度の難聴があります。妊娠初期に罹患するほど異常の出現率も高く、症状も重いことが知られています。妊娠20週以降の感染では、永続的な障害を残すことはありません。
第4回 水痘   1 / 3

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