明日香医院
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予防接種の話
第1回 予防接種を受けた方がいいですか
第2回 麻疹(はしか)
第3回 インフルエンザ
第4回 水痘
第5回 風疹(1)
第4回 水痘
あすかネット会報 22号, 16ページ, 2004

今回は、任意接種の水痘ワクチンについてお話しします。水痘に罹患すると長じて帯状疱疹になってしまうこと、および、妊娠中の胎内感染の可能性があるというふたつの理由から、任意接種ではありますが、ワクチンの接種をおすすめしたいと考えています。

水痘は“水ぼうそう”と呼ぶ方がわかりやすいでしょう。水痘・帯状疱疹ウィルス(varicella-zoster virus)に感染することで発症します。虫さされのような小さくて赤い丘疹が体幹からはじまり、顔や頭に広がります。1日か2日でそれが小さな水疱となり、1週間以内にはすべて痂皮(かさぶたのこと)になり、跡を残さないで治ります。かゆみや痛みを伴うこともあり、また、あまり高くない熱が出ることも多いです。健康な子どもでは、病気そのものが重症になることはまれですが、大人や免疫力の弱い子どもがかかった場合、重症化する傾向があります。

水痘ウィルスは極めて伝染性が強いため、予防接種をしなければ、小児期にかかってしまうことが大半です。潜伏期間は2週間から3週間です。集団生活を始める3歳から6歳でかかることが多く、冬から春にかけて流行するとされます。感染力が強いので、兄弟の誰かがかかると、90%程度の確率で家庭内で他の兄弟にもうつります。発疹の出る1〜2日前からすべての発疹が痂皮化する6〜7日目くらいまでは、相手にうつす感染力があるため、登園や登校は控えなければなりません。
第3回 インフルエンザ   1 / 3

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