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命を奏でる映画「地球交響曲第五番」
いつの間にか撮影スタッフに

−撮影の話はどのようにきたんですか?

宮崎: 大野先生から電話があって、別件の打ち合わせをした後に、「実はこれが一番重い話なんだけどね……」と切り出されたんです。

大野: そうそう、私は宮崎さんが断ってくれれば、それでもいいと思って(笑)。

宮崎: もし、龍村監督から直接電話があったら、急な話でしたし、お断りしていたかもしれません。でも、相手が大野先生だったので、「んっ!?」とちょっと考えてしまったんですね(笑)。

−どうして、大野先生が依頼の電話を?

大野: 何ででしょうかね。龍村さんご夫妻のまっすぐな思いに感応したのだと思います。

宮崎: でも、最初の電話でははっきりしたお返事はできなかったんです。立ち会えるかどうかわかりませんが……みたいな感じで。とにかく、突然の話だったので驚いてしまったことが1つと、私の仕事の仕方というのは、本当に「撮れれば撮りましょう」といいながらやっているところがあって、100%お約束はできないんですね。でも、映画撮影となると、失敗はできない、押さえるべきところを押さえなければならないという気がして、それが不安でした。

まして、映画が「地球交響曲」ですよね。私はいいお産の日のイベントで、たまたま「第三番」を見たことがあって、素敵な映画だなと思っていたんです。だから、正直なところ本当に私でできる仕事なのかどうか、迷っていました。

大野: でも、そんなことをいいながら、宮崎さんは、いつの間にか撮影スタッフの一員になってスチール写真を撮っていたんですよ(笑)。

龍村: 「地球交響曲」は小さなチームでつくっている映画なので、いままでスチール写真をプロのカメラマンに頼めなかったんです。でも、そういう流れで宮崎さんと知り合ったものだから、撮影にも同行していただいて。もうこれはご縁としか説明のしようがありません(笑)。

宮崎: 本当にあっという間のことでした。

龍村: うまくいくときは、そういうふうに進むものなんですよ。それから、やっぱりどこかで大野先生も、宮崎さんも、私たちとハートの共感があったのだと思う。それぞれに違うところで働いている人間同士が、共感するもので結ばれたときに、よいネットワークやチームワークが生まれる1つの例だったのでしょうね。
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