明日香医院
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【講演要旨】 『安産のために』
はじめに
当院のお産
太らないこと、歩くこと
おわりに
1ヶ月時の完全母乳率は99%である。3ヶ月時は全員が当院に来院しているわけではなく厳密には把握していないが、98%程度と推定される。
以上が、私たちのところのお産の大まかな成績である。帝王切開、鉗子や吸引などの急速墜娩、会陰切開、早産が少ないこと、母乳率の高さに気づいていただけると思う。私たちのめざしている安産とおっぱい子育ては、おおむね達成されていると考える。

他に特徴としては、年齢の高い妊婦、および初産婦が多いことがあげられる。平均年齢は33から34歳で、35歳以上の初産婦は、初産婦全体の約27%程度を占める。40歳以上の初産婦も6人あった。初産婦は全体の60%である。

産科医にとって、帝王切開の手術は、伝家の宝刀ともいうべき手段である。なぜなら、生まれてほしいけれど、自然のプロセスでは生まれない赤ん坊を、自らの力で確実に取り出すことができるからである。伝家の宝刀は、真に必要なときのみふるってこそ価値のあるものであろう。徹底的に自然分娩を目指せば帝王切開率は1%以下に減らせると考え、私はこの宝刀を捨てることを選んだ。ちなみに当院における帝王切開率をポアソン分布で推算してみると、平均値(期待値)の上限は90%の信頼性で0.86%、95%の信頼性だと1.1%になる。
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