お産の家　明日香医院－大野明子の著作など

【講演要旨】 『安産のために』

太らないこと、歩くこと
結果はプロセスについてくる。上記のような結果のために、私たちがとっている方法のあらすじをお話ししたい。ひとつひとつは、ささやかで特別なものはないが、そういうプロセスを積み重ねることで、結果が生まれる。異常にならないための予防を徹底的に心がける。

まず、私たちはていねいさで安全を紡いでおり、健診もお産もお産後も、ともかく手間をかける。そのため、お引き受けする分娩数は少数となる。

妊婦さんには太らないことと、よく身体を動かすことを実行してもらう。妊娠中の体重増加は、もともと太っていない方で、初産婦さん5キロ以内、経産婦さん7キロ以内としている。もともと太めだった方には、体重を増やさない、あるいは場合によっては減らしていただく。そうすると、初産婦さんの場合、赤ちゃんの出生時体重はほとんど3000g以下でおさまり、産道によけいな脂肪もつかない。体重管理が難しい方には、毎日の食事記録持参で毎週来院していただき、体重計測と食事相談をさせていただく。これは大変手間のかかるプロセスであるが、やむをえない。

また、運動は初産婦さんには1日3時間の散歩を実行してもらう。お産が近づくと、階段の昇降もしていただく。体重管理と運動は妊娠中毒症の予防にもなる。妊娠中毒症は分娩と児の予後を悪化させるもっとも大きな要因であるが、同時に予防が可能な病態であると認識している。

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