明日香医院
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【講演要旨】 『安産のために』
はじめに
当院のお産
太らないこと、歩くこと
おわりに
当院のお産
当院は医師1名と助産婦3名の小さな産婦人科医院である1)、2)、3)。板張りの分娩室には、分娩台はない。赤ちゃんは布団の上で、四つん這いや側臥位で生まれる。分娩室に隣接したお風呂で生まれることもある。手術室はなく、帝王切開が必要であれば搬送する。この小さな産院を始める以前の2年間は自宅出産のお世話をしていた。以来約3年半、総計260余人の赤ちゃんが産まれた。260余例のうち幸い帝王切開はなく、吸引分娩が1件である。この急速墜娩の1例は、胎児心拍数モニタリングにより児の低酸素血症を疑ったもので、会陰切開もこの1例のみである。その結果、赤ちゃんに新生児仮死はなかった。また、破水後時間が経ち感染兆候が出た場合、分娩がきわめて遷延した場合など、陣痛促進剤による誘発や促進例が初産婦を中心に約9%ある。

妊娠経渦中の母体搬送および転院は、5例あり、すべて妊娠35週以前である。内訳は早産の前期破水2名、子宮内胎児発育遅延など3例である。転院先の判断で高度な子宮内胎児発育遅延の2例が予定帝王切開となった。

早産および赤ちゃんの予後について述べると、致死的奇形を承知の上でお受けしたお産が2件あり、いずれも早産となり、赤ちゃんは亡くなっている。このほかの早産は35週台が5名、36週台が7名である。出産後の赤ちゃんの搬送は35週の早産のうち1名など計4例あり、いずれも予後は良好である。過期産はない。
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