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子育て親育ちの大きな環 (連載第7回)【番外編】子どもを選ばないことを選ぶ
講演会は、こんな「ご案内」でよびかけました(文中で「Aちゃん」とした個所は、本物の案内では実名が入っておりました)。

ちゅうりっぷ組のAちゃんをご存知でしょうか。Aちゃんは人とコミュニケーションをとることが難しい「自閉症」と診断されています。
Aちゃんは花、特に沈丁花が大好きで、花の季節が終わる頃には、「沈丁花、またね」と言葉をかけるのだと、Aちゃんのお母さんはうれしそうに話してくれました。菜の花は、「黄色い蝶々」で、これもまた、Aちゃんのお気に入りなのだそうです。

でも、そのお母さんですら、最初に「自閉症」と告げられた時、打ちのめされました。そのお母さんに笑顔を取り戻してくれたのが、お父さんが差し出した「子どもを選ばないことを選ぶ いのちの現場から出生前診断を問う」でした。

Aちゃんは確かに、大勢のお友だちと一緒に遊ぶことは苦手のようです。でも担任の西川先生によると、Aちゃんには常にちゅうりっぷ組のお友だちが注意を払い、何くれとなく手を差し伸べているそうです。こうちゃん、そしてその周りの子どもたちもお互いを思いやる心がしっかりと育っている、と西川先生は話しています。

私たちは、「障害」と聞くと、つい構えてしまいます。さわらないようにするか、妙に気を使いすぎるかで、どちらにしても、あまりすてきな関係とはいえないと思います。ところが、子どもたちは、あっさりとありのままを受け入れ、自然な間合いをつかんでいます。うーん、子どもたちばかりが成長していくのは、ちとくやしい、親も負けていられないぞ、とばかりに企画したのが今回の講演会です。大野さんのお話を聞きながら、「いのちをはぐくむこと」について一緒に考える機会になればうれしいです。 
(文責・ちゅうりっぷ組 松本 美奈)

「子育て親育ち」の「環」は、何も環の会に限らない。現に、この日、会場に集まってくださった参加者の表情が、一緒に子育てする仲間という環がここにも育ちつつあると感じさせてくれたのです。この環はきっと広がるだろう、どこかで生まれた環とくっつくかもしれない。あちこちで生まれた環がどんどんつながってほしいと願っての寄り道に、ちょっとお付き合いください。
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