明日香医院
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予防接種の話
第1回 予防接種を受けた方がいいですか
第2回 麻疹(はしか)
第3回 インフルエンザ
第4回 水痘
第5回 風疹(1)
かねてより私はそんな危惧を持っていましたが、まず私は産科医であって小児科医ではなく、さらに、実際の小児科臨床に携わってもいないため、当初は、積極的な発言を避けてきました。しかし、明日香医院に対してその質問をなさるお母さんたちの中には、いくつかの誤解があることにも気づくようにもなりました。次第に見るに見かね、このまま黙っているのは危険なので「それは違うよ」とはっきり示そうと考えるようになりました。

誤解のうちの代表的なものは、「明日香医院は自然なお産をすすめているから、予防接種もすすめていないだろう」とか「自然に産んだのだから、予防接種は必要ないだろう」などです。それは、大きな錯覚であり、誤解です。

たしかに、明日香医院では「自然にそなわっている生理的能力を最大限発揮できるようなお産」をめざしています。けれど同時に「産科医療にも守られたお産」であることも、忘れないでいただきたいのです。ほとんどのかたは、ご自分の力でお産をなさいました。けれど、ほんのちょっとのお薬、たとえば、抗生剤や便秘薬なども一切使わず、妊娠中と産後を過ごしたかたは、ほとんどいらっしゃらないでしょう。「まったくなにもしなかった」わけではなく、自然の力を高めるお手伝いや、ちょっと弱いところを補うお手伝いはさせていただいているのです。

「なにもしないことが自然」、それは確かにそうかもしれません。「だから予防接種は不要」と言えるでしょうか。

大昔、生活が自然の中で、自らの生理的能力を生かして行われていたときは、そうだったのかもしれません。人口密度も低く、病気の種類や伝わり方もその地域ごとに集約されていたはずです。
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