明日香医院
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産婦診察
はじめに
当院の特徴
入院時診察の実際
その後の診察の実際
おわりに
はじめに

入院時および分娩第1期の診察の目的は、できるだけ正確にその後の分娩経過と結果の予測を立て、もって母児ともに無事な出産、できることなら正常産に導くことにある。すなわち、いま始まろうとしている、あるいは進行中の分娩について診察するときは、常に今後の進行をシミュレーションしながら、必要な情報の把握に努める。同時に、産婦の不安を軽減し、“必ず産める”という勇気を持ってお産に向かうことができるよう気を配る。

本稿では上記の主旨に沿った診察の実際について、当院での実践に基づいて記述する。あとになればなるほど予測は正確さを増すが、正常を取り戻すための対処は早ければ早いほどよい。したがってこの時期の診察は分娩のリスク管理の要とも言え、力量と経験を必要とする。しかし、基本を踏まえた真摯な観察眼と毎回の実践の真剣な振り返りは、経験の乏しさを補うに役立つであろう。
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