明日香医院
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乳頭マッサージ 自然な陣痛促進法
はじめに
対象および方法
結果
考察
まとめ
考察

1.乳頭マッサージ

対象のところで述べたように、当院では本研究の対象期間中、経産婦の陣痛促進剤点滴による分娩誘発および促進例は1例のみであった。当然のことながら、分娩遷延などのため、何らかの促進法を考慮せざるを得ない症例はこのほかにもあり、陣痛促進剤使用を回避できたのは、乳頭マッサージという手法によるところが大きい。

たとえば、症例番号31(表6)のように、乳頭マッサージなどの自然な陣痛促進法に加えて、ときには人工破膜を併用することで、分娩遷延を理由とした陣痛促進剤の使用を減らすことができる。

また、薬剤による促進は必要ない程度とはいえ分娩進行が緩徐なとき、症例番号20(表4)のように、乳頭マッサージによって分娩進行をおだやかに促進することで、産婦や家族の疲労を回避し、お産に向かう気持ちを維持することができる。

また、症例番号37(表5)のように、いまだ分娩至適時期でないときに乳頭マッサージを行なった場合は、たとえ子宮口が4cm開大し、一時的に子宮収縮の増強が認められたとしても、分娩には至らない。

経産婦が前駆陣痛様の陣痛で入院し、分娩進行が緩徐なとき、一時退院可能かどうかの判断に迷うことは少なくない。こういったとき、乳頭マッサージを試み、その反応を観察することは、分娩経過を予測するためのよい指標となり、一時退院などの対応が可能になる。
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