お産の家　明日香医院－大野明子の著作など

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【講演要旨】 『分娩台よ、さようなら』

はじめに
仰向けでないお産とそれに続く母乳哺育、そんなあたりまえのことが、現代ではしばしば困難です。帝王切開率は20%を超え、40%に達する施設もあります。1ヵ月健診時の平均母乳率も50%を下回っています。

けれど、妊娠できる人は経膣分娩と母乳哺育が可能であるはずです。そこで3床の小規模診療所を開設し5年になります。産科医である私のほか常勤助産師7名で運営し、分娩台も手術室もありません。これを書いている7月上旬現在950件が生まれ、帝王切開率は1%台、1ヵ月健診時の母乳率は98%強です。

やはり、ほとんどの人が経膣分娩と母乳哺育ができるのです。帝切やミルクが必要なことはありますが、その頻度は2%あるいはそれ以下です。また、それによって、母子の安全が脅かされることもありませんでした。

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