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【講演要旨】
『分娩台よ、さようなら』
はじめに
分娩台のないお産
手術室のないお産
お産のデータ
子どもをかわいがるちからの源−お産−
子どもをかわいがるちからの源−お産−
なぜ、女の人は自然なお産を願い、自然なお産は、お母さんと赤ちゃんになにをもたらすのでしょう。
みずからのちからで子どもを産む喜びは、産む人に自分の身体に対する大きな信頼感や肯定的感情を呼び起こします。帝切回避はもとより、会陰切開回避にもこれはあてはまります。会陰の傷なく産めたという身体的快感、自分の身体が機能している満足感が、身体への自信を産み、自己肯定感につながります。これは一生涯にわたる女としての自信にもなりましょう。会陰切開はそういったものをあっさり奪いますが、会陰切開の正当性について産科学的根拠さえありません。
「赤ちゃんのために切りましょう」というのは、よく聞かれる文言ですが、子どもはお母さんの身体を傷つけて生まれたいとは思っていません。大好きなお母さんの身体を大切にしながら生まれてきます。
お産のとき、周囲の人から大切にされる信頼感や安心感は、彼女が守るべき小さな人を大切にするちからをはぐくみます。母性は女の人に最初から備わっているものではなく、育つもの、はぐくまれるものです。子どもをかわいがるちからの源はお産にあり、そんなちからをはぐくめるようなお産をお世話することが、産科医療者の第一の使命だと考えます。
医療者と産む人の間の信頼や愛情が、子どもに還ってゆく、そんなすこやかな循環を願います。愛されている子どもは、愛情のオーラを放ちます。お母さんから完全に愛されている自信は、深い自己肯定感につながると信じます。
さらに真摯にいのちに向き合うとき、私たちが考えている以上に人は霊的存在であり、お産は霊的体験であると感じます。偶然に起こることはほとんどありません。お話の最後に、そんなことにも触れたいと考えます。
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