明日香医院
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産婦診察
はじめに
当院の特徴
入院時診察の実際
その後の診察の実際
おわりに
この時点で聞いておくべきことは以下の項目である。

[産科的情報]
1)陣痛開始を自覚した時刻
2)子宮収縮の間隔、収縮時間と強さ、およびその変化
3)産徴および破水の有無、破水の場合には羊水の色
4)胎動の有無
5)発熱など異常な徴候の有無
[精神的・家庭的事情]
1)不安や心配ごとはないか
2)本人のそばにサポート役の家族がいるか

質問は、産婦が理解しやすい言葉を心がける。具体的には「お腹はどれくらいの間隔で張りますか」「いつ頃から痛みますか」「痛みは何秒くらい続きますか」「痛いときにもお話しできますか、歩けますか」「だんだん強くなる感じがしますか」「おしるしはありますか」「お水が流れる感じはありますか」「パッドについた羊水は、無色ですか、緑っぽかったりしませんか」「赤ちゃんはよく動いていますか」「身体が熱っぽかったり、寒気がしたりはしませんか」「いまおうちにお一人ですか」など、丁寧にかつ順を追っててきぱきと尋ねる。産婦の言葉から緊張や不安などの言外のメッセージを受け取ったら、破水などがあっても正常な経過なので大丈夫だというメッセージを返し、安心してもらうことも忘れてはならない。

来院の必要があると判断したときは、来院予定時間、交通手段、家族の同行の有無なども聞く。急いで来院する必要があるときはその旨を伝え、移動中の連絡用に、診療録記載の携帯電話番号を再確認しておく。破水の可能性がある場合は、入浴は控えるように助言する。

しばらく自宅で様子を見るにせよ、来院を促すにせよ、産婦自身が現在の状況と今後どうすればよいかを正しく理解し、安心して次の行動に移れるような応対が必要である。

なお、当院では、分娩進行が早く来院していては間に合いそうもないと判断すれば、医師と助産師が自宅に急行する。来院しても間に合わない経過であれば往診も間に合わないが、このような早い経過で娩出児に問題があることはほとんどない。往診が児娩出に間に合わないにせよ、胎盤娩出と産後出血に備えてできるだけ早い到着に努める。家族とともに自宅で待つ状況は、救急車要請に比べ、産婦にとってはるかに幸福なお産のかたちであると思う。また、到着までの間、不安なく落ち着いてお産に臨めるよう、本人および家族と電話で連絡を取り、必要な助言を行う。
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