明日香医院
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産婦診察
はじめに
当院の特徴
入院時診察の実際
その後の診察の実際
おわりに
内診所見が必要な理由はさまざまであるが、いくつか例をあげる。たとえば前駆陣痛で来院した初産婦がすでに心情的に臨戦態勢となって緊張が強いとき、まだお産が始まっていないことを知らせ、ゆったりした気持ちで待機する方針を納得してもらう。経産婦でまだ前駆陣痛様である場合、自宅待機が可能かどうか判断する。これらは内診の産科的適応というより、精神的・社会的適応と言ってよい。

また、内診の産科的適応例としては、破水感があるもパットなどから確認できないときがあげられる。ちなみに、培養検査のみであれば、助産師が内診台を使わず採取する。あるいは、胎児心拍数モニタリング上non-reassuring patternを示すなど、正常所見からの逸脱を認め、分娩進行に関し現時点での厳密な評価が必要なときである。

内診時は、あらかじめ担当助産師と医師が所見の予想を立てて診察に臨む。実際の所見は予測と一致することが多く、ルーチンの内診を行わないことで、内診所見に頼ることなく、分娩経過を観察する力が養われると思う。

8. お産のシミュレーション
上記のような診察や観察の所見から、分娩経過をシミュレーションし、予測を立てる。当院ではこの後、担当助産師は、ほかのスタッフと意見交換の機会を持つ。私はまず聞き役に回り、その後意見を述べる。他の意見にヒントを得て、担当者の考えが深まることはしばしば経験する。また、担当者が難産などの悲観的な予想を持つときは、それでも必ず生まれる見通しを述べ、この気持ちを救済する。これらの話し合いは私自身の学びとなると同時に、よい助産師教育となっている。
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