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はじめに
妊娠中の指導の実際
自由な体位の出産の実際
会陰裂傷発生の実際
まとめ
3.ペアレンツクラス
初回のペアレンツクラスでは、起きあがって産むことは分娩の生理にかなうことを主題として、お産の姿勢についてもお話しする。
その際、「会陰裂傷発生の実際 2.会陰裂傷発生に寄与する因子」の項で述べるように、分娩時側臥位のほうが、四つん這いやスクワットなどに比し、裂傷ができにくいことにも触れる。また、姿勢や呼吸で上手にいきみを逃し、お産のスピードのコントロールを図ることにより、裂傷を軽減できることも話す。しかしそれはあくまでも結果であって、より楽なお産の姿勢や自然のいきみに身を任せることなどを、何ら拘束するものでないことも強調しておく。
4.会陰マッサージ
妊婦自身による会陰マッサージは、妊娠35週頃から開始する。妊娠後期の健診の際、助産師が図解してやり方を指導し、自宅で行う。その方法は、スウィート・アーモンド・オイルを使い、第2指と3指でまろやかに会陰と腟入口部を伸展する。少量のオイルは外来でお分けする。
「会陰マッサージをすると、裂傷を減らせるか」という問いに、実は私自身は答えを持たない。それでいて、妊婦に指導・励行してもらっているのは不誠実ではないかと問われれば、そのとおりかもしれない。
本来、検証のためには、会陰マッサージ指導群と非指導群の2群に分け、裂傷の頻度と程度を比較すべきであるが、当院ではそれを行えていない。現実問題として、よい結果をもたらす可能性のあることはすべてやっておきたいのが、妊婦と医療者共通の心理であり、効果があると信じて指導していると答えるほかはない。
妊婦自身による会陰マッサージの間違いない効果は、自ら会陰に触れ、その存在を意識することにより、出産を具体的にイメージすることである。また、会陰裂傷をつくらないですむようできるだけの努力はしているという安心感は、お産に対する気持ちの余裕をつくるであろう。
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