明日香医院
大野明子の著作など エッセイ > 子どもをかわいがるちからの源−お産−
子どもをかわいがるちからの源−お産−
お産からすべてが始まる
母性をはぐくむお産
お産と医療の関係
安産とおっぱい
小さなお産の家で
おわりに

医療の枠組みの中でのみお産を追求すれば、異常が強調される結果、不安と恐怖が先行し、それが現実的異常を引き起こします。安全の見返りとして、産む人は医療介入が必須なところに追いこまれ、それが正当化されるでしょう。安全保証を旗印に医療が産む人をひれ伏させ、不安や恐怖心を増幅するようなやり方は、正しいとは言えません。

むしろ、命の営みの中に必然的に起こる異常をあらかじめ受け入れることによって、大きな安定の中にお産を迎えられるようなあり方をめざすのが本当の産科医療でしょう。

さらに、お産を医療ではなくもっと大きな枠組みでとらえるとき、産む人自身の自己信頼感や安心感、赤ちゃんの命への信頼感は、お産を正常域に近づける可能性があります。私たちの施設における帝王切開率や早産率が現代の平均値に比べて低く、母乳率が高いことが、それを実証しているように見えます。私たちの実践は項をあらためて述べます。

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