明日香医院
大野明子の著作など 講演 > 『子どもを選ばないことを選ぶ』明日香医院大野明子さんを囲んで
診療所はどう運営し、どう生き抜くか
【報告】 星佳代(言語聴覚士,長男は1才6ヵ月)
命が生まれるということ
出生前診断ってなに?
妊娠中の超音波検査も出生前診断!
子どもを選ばないことを選ぶ
自然なお産を考える
質疑応答から
参加者の声から
子どもを選ばないことを選ぶ

大野さんは以前病院勤務をされていた時や、明日香医院を始めたころは妊婦さんに出生前診断についての説明をされていたようです。ちなみに米国では、35歳の方が検査の話をされずに出産したらダウン症の子が生まれ、その両親は検査の話がされなかったので中絶するチャンスを失ったと医療側を訴え、勝訴したそうです。このため医療側はトラブル回避のために出生前診断の話をせざるえなくなっているというお話でした。

でも今は妊婦さんに出生前診断の説明をされていないそうです。なぜそのように移行されていったのでしょうか。

出生前診断は、妊娠を喜んでいたかと思うと10週目には話をしなくてはなりません。多くの方はもしそのようなことがあっても受け入れる覚悟がどこか頭の片隅にあり、『それはそれでいい』と思っている人がどちらかと言うと多いそうです。なのに医師が話すと薦められたと思ってしまい、そして真剣に考え悩み、答えを出す。でも、検査をしても結果を変えることは出来ない。そして異常のある妊娠で、幸せが少なくなったりする。どうしてそんな話をしなくちゃならないんだろうという疑問をもたれるようになりました。

そんなときに明日香医院にダウン症の春乃が生まれます。春乃ちゃんはとても元気で、おっぱいも自分でちゃんと飲みつき、飲み取ることができたそうです。でもお母さんは当初泣かれていたそうです。春乃ちゃんは愛がいっぱいの中で育っていけるけれど、支えが必要だったのはお母さんだったのですね。

染色体の数に異常があるダウン症の赤ちゃんも、いろいろな淘汰をくぐり抜けて、生きられるから生まれてくる。このようなことや日々の産院での出来事などから大野さんは出生前診断の説明をされなくなっていったようです。

「大変な確率で誕生しようとする生命を、私たちが決められると思うのは傲慢ではないでしょうか」とお書きになっています。
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