お産はいのちの営み
子どもをかわいがる力
当院のお産
太らないこと、歩くこと
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子どもをかわいがる力
母性は女の人にもともとそなわっているものではなく、おそらく育つもの、はぐくむものです。子どもは未来だから、子どもたちの未来のために、ひいてはこの国の未来と、地球の未来のために、母性はまっすぐに、強く育ってもらわねばなりません。そのためにはまず、お産から始めなければと私は思います。お産を人間本来のあり方に取り戻すこと、つまり母となることを決めた女の人が、本来育てうるはずの母性が育つことの邪魔をしないようなお産のお世話をすることです。現代における子育ては、一見困難に満ちています。けれども、それを全うできるだけの強い母性のもとは女の人の中に本来あるはずです。難しいことではないと信じます。
そして、母性の一番の本質はたぶん、子どもを慈しみ、かわいがる能力です。ですから、教育や社会の仕組みをさまざまに論じる以前に、まずお産と乳児期の子育てが肝心です。母になる人を取り巻く人たちは、お母さんが子どもがかわいくてたまらないと思えるようなお産と子育てができるよう、援助しなければなりません。
妊娠・出産期、女の人の感受性はホルモンの働きで高まります。このときに身体と心を大切にされた人は、彼女が守るべき小さな人をかわいがる力をはぐくむことができるようです。お産のとき、家族とともにあることの重要性のひとつはここにあります。また、産科医療者の仕事は、もっぱら母子の安全の確保と考えられており、それはもとよりそのとおりです。しかし、一番大切な使命は、お母さんが子どもをかわいがる力を育てることを援助することではないでしょうか。
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