はじめに
明日香医院のお産のデータ
考察
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3 .「なかなかすすまない」分娩の割合
分娩所要時間が初産の平均とされる約18時間の2倍である36時間を超えるもの、および、分娩第2期が初産の正常値上限とされる2時間の2倍である4時間を超えるものを「なかなかすすまない」分娩と捉えることとし、その割合を検討した。ただし搬送の1例は除いて検討した。なお当院では、全開大後2時間で促進に踏み切るなどのルーチン的判断や、遷延を理由とした吸引・鉗子分娩、クリステレルによる遂娩を行うことはない。216例のうち吸引分娩は、児心拍数モニタリングから判断して急速遂娩を図った初産2例であった。
分娩所要時間が36時間を超えたものは、9例(4.2%)、うち初産婦が8例、初産に占める割合は8.1%であった。また院内における最長所要時間は83時間であった。9例のうち初産7例で陣痛促進を行った。所要時間37時間の経産婦および77時間の初産婦それぞれ1例は自然経過で娩出に至った。
さらに超36時間の9例のうち、分娩第2期が4時間を超えたものは初産婦の6例があり、うち5例で陣痛促進している。さらに10時間を超えるものも3例あり、全例陣痛促進を行った。
また全216例のうち分娩第2期が4時間以上の例は22例(10.2%)、うち21例が初産婦であった。9例(41%)で陣痛促進を行っているが、このうち5例は上記の分娩所要時間36時間以上の促進例と重複する。
このような「なかなかすすまない」分娩の結果、新生児仮死や感染、分娩後の排尿障害などは発生していない。当院での分娩結果を見る限り、分娩第2期が2時間以上経過した時点で娩出のための医療介入を行わねばならない必然性は見当たらない。
なお、当院における陣痛促進の適応は、多くが回旋異常、中でも斜軸侵入である。子宮口8cm開大、St+2程度で分娩進行が停止することをしばしば経験する。出生体重は3,000g前後が多く、児が大きいほど「なかなかすすまない」とは言えない。 |
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