化学者から産婦人科医へ
出生前診断をすすめない理由
出生前診断が役に立つとき
質疑応答
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■化学者から産婦人科医へ
北沢: |
東京大学の理学部化学科を卒業、ご自分の出産をきっかけに、もう一度大学に行き直して産婦人科医になられたとのことですが。
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大野: |
私が医師になったのは35歳でした。高校をでて東大に入り、4年生になったとき「どうしよう?」と考えました。ずっと優等生路線で挫折することなくやってきて、消去法で大学院に進み、地球化学を専攻しました。温泉ガスや火山ガスの中のマントル*からの成分を分析する仕事でした。
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北沢: |
地球のガスの分析とはどんなものですか。何の役に立つのですか。
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大野: |
地球化学などは、「何の役に立つのか」と聞かれても即答は難しいです。一つひとつの研究は重箱の隅をつつくようなものです。ともかく、地球が何億年前にはこうなっていて、いまオゾン層が壊れていて……といった地球史や未来がわかります。
最新の文献を読んでトップレベルが何をやっているのかを見ながら、自分がつぎに何をやろうかと考える。一定の手法を身につけ、論文を書く能力を身につけ、学会に発表し、どこかのポジションが空くのを待ちながら、このまま、ほどほどの自己満足と、ほんのちょっぴりの科学への貢献で人生を終えてしまうのかもしれないと思っていました。
博士号を取ったあと、思いかけず妊娠しましたが、当時就いていた仕事は、フィールドワークで出張を伴うため、男社会の中で女には明らかに不利です。子どもを産んで育てながらでは、両立がむずかしい仕事でした。
出産のときは仰向けで放っておかれ、最後は促進剤を打たれて産ませられるというお産になりました。安産だったかもしれませんが、自分の中にわりきれないものが残りました。お産の直後は会陰の傷も痛いし、おっぱいもカチカチに張りました。
*マントル:地球の地殻の下から深さ2,700kmあたりまでの固体部分。 |
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