明日香医院
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出生前診断の問題点
化学者から産婦人科医へ
出生前診断をすすめない理由
ダウン症のあかちゃんとの出会い
出生前診断が役に立つとき
質疑応答
質疑応答

フロアから: 超音波なら、それほど抵抗はないのですが……。

大野: 超音波でもダウン症をスクリーニングすることができます。血清マーカー試験を全員に行なえばダウン症の7割を発見できるともいわれますが、超音波でも、そのつもりで詳細に見ると、ダウン症は大腿骨が短いとか、心臓が光って見えるなどの特徴から、8割を発見できるといわれています。日本では超音波検査はほとんどの産科医が行なうので、ある意味で全員が受けているともいえます。

フロアから: LDやADHD*が陣痛促進剤の影響だという話があるのですが、ほんとうでしょうか?

大野: 陣痛促進剤は使い方を誤ると怖い薬ですが、そのおかげでおなかを切らなくすむとか、子どもが助かった例もあります。過強陣痛であかちゃんが死んだ例では、使用法がひどいです。また、過強陣痛のため仮死で生まれた結果、脳に障害が残る可能性もあります。しかし、ひどい使い方と、まともな使い方を混同して論じるのはどうかと思います。

※LD:学習障害。知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算するなどの特定の能力の習得と使用に困難を示す。
ADHD:注意欠陥/多動性障害。年齢あるいは発達に不釣り合いな注意力、および/または衝動性、多動性を特徴とする行動の障害で、社会的な活動や学業の機能に支障をきたすこともある。
小・中学校におけるLD(学習障害)、ADHD(注意欠陥/多動性障害)・高機能自閉症の児童生徒への教育支援体制の整備のためのガイドライン(試案)/文部科学省、2004年1月、より。
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