明日香医院
大野明子の著作など 講演 > 出生前診断の問題点
出生前診断の問題点
化学者から産婦人科医へ
出生前診断をすすめない理由
ダウン症のあかちゃんとの出会い
出生前診断が役に立つとき
質疑応答
フロアから: 遺伝子診断の結果を保険会社が利用しようとしている話もありますが、出生前診断でいちばん利潤を上げているのはだれですか?

大野: トリプルマーカーだと、10,000〜15,000円が検査会社に入り、病院は実施と説明料として数千円を加算していると思います。検査の原価のコストは突き詰めれば試薬代ですから、検査会社の収益のほうが、医療機関より多いでしょう。厚生医療研究班の提言のおかげで、ある程度、検査会社に歯止めをかけることができました。

羊水検査で会社に払う料金は、10万円前後です。羊水を培養して、胎児の細胞を増やして調べるので、時間と手間のかかる検査です。また、ある程度の検査件数がないと利潤が上がらないでしょう。数が多いほどランニングコストが減るから、儲かることになると思われます。

羊水検査では、医療機関は、説明および実施料として20,000〜30,000円を加算するのが通常ですが、超音波を見ながら針を刺して採る、これはストレスの多い仕事です。胎盤を刺したら母親の血を採ってしまうし、胎児に刺さってはいけない。羊水が少なくて採れないこともあります。私にとっては、収益のためにやりたい仕事ではありません。

フロアから: 中絶胎児をハサミで切って捨てたという報道がありますが。

大野: 中絶胎児は業者に頼んで処理しているのが通例だと思います。また、12週以上は死産として届けるので、埋葬許可が必要です。
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