お産の家　明日香医院－大野明子の著作など

大野明子の著作など＞論文＞分娩形式はどのように変化するか

さらに忘れてはならないのは、産婦の精神状態が分娩経過に及ぼす影響である。お産は個人的で性的な営みであるがゆえに、多くのひとが想像するより、おそらくはるかに精神的なものである。親しい人に見守られ、かつプライバシーの確保されたおだやかな環境は、産婦にとって心地よいだけでなく、その結果、分娩は順調に経過する(図3)。しかし、たとえ高度な技術を持った専門家集団であっても、見知らぬ多数の人に取り囲まれる緊張感は異常を引き起こし、専門家に活躍の機会を与える。

また、お産を介助する医療者の精神状況もお産の経過に作用すると私は信じる。お産は本来正常で安全なものと捉える医療者によってこそ、お産は本質的な安全さをもって介助されると思う。

そういう側面も含め、産科学はまず予防医学であってほしいし、お産の環境はそのように整えられてほしい。

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