はじめに お産の姿勢 お産の環境 おわりに
お産の環境 1. お産の捉え方 次にお産を取り巻く環境を考える。 お産を考える時、お産は本来正常なもの、安全なものと捉えるか、その逆に異常が起こることを前提に、危険なものと捉えるかによって、お産にふさわしい環境は大きく異なる。 私にとっては、このいずれの捉え方も真実である。しかし介助者として産婦に接するとき、後者の捉え方を常に頭の片隅におきつつも、原則的に前者の立場でいる。あるいは、後者の捉え方が必要となる客観的状況、すなわちリスクを徹底的に減らし、前者の立場で分娩に臨む。しかし、多くの産科医が後者の立場をとっておられるであろうことも、想像に難くない。 お産は本来、ひとのいのちの営みである。きわめて個人的で、性的な営みであって、医療的、人工的な環境となじみにくい。そのことがこの問題をさらに難しくする。
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