お産の姿勢
1.起きあがって産む
21世紀には、ぜひ、仰臥位でないお産、起きあがって産むお産、自由な姿勢のお産、分娩台を使わないお産が主流になってほしいと願い、そして祈る。
仰臥位分娩の弊害と、起きあがって産むことの本質的正しさは、語られてすでに久しい。起きあがって産むことは、分娩の生理にかなっており、非生理的な仰臥位分娩に比してはるかに利点がある。けれど残念ながら、いまだ仰臥位分娩は主流である。その理由は医療側の怠慢や慣習、あるいは、新しいものや未知のものに対する理由なき不安や反発であろうか。そこで、いまさらではあるが、両者を簡潔に比較しておく1,2)。
分娩の進行方向と重力の関係を考えるだけで、起きあがって産むことの利点は明らかである。分娩の進行とともに、胎児は骨盤誘導線にそって回旋しながら産道を下降する。産婦が仰向けでない姿勢、つまり身体を起こしていれば、文字通り胎児は降りてくる。ところが、仰臥位の場合、胎児は降りてくるどころか、やや上方に向かって娩出される。つまり、仰臥位では胎児を産み落とすのでなく、重力に逆らいながら、天に向かって産み上げることになる。
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