大野明子の著作など
>
論文
> 分娩形式はどのように変化するか
はじめに
お産の姿勢
お産の環境
おわりに
仰臥位の弊害はこれだけではない。仰臥位では仙腸関節が開きにくく、骨盤の出口部が狭くなる。また、仰臥位では子宮の重みで産婦の大動脈や大静脈が圧迫され、胎盤血流が低下することがある。つまり、仰臥位分娩は、お産の生理に反する不利な姿勢である。
それに対して、四つん這いやスクワット、立ち産の場合、産婦は陣痛やいきみに加え、重力の助けも借りて児を産み落とすことができる。また、特にスクワットなど、骨盤が一番広がる姿勢でもある。側臥位も、重力に逆らわず、骨盤も十分に開き、穏やかな速度で分娩が進むいい姿勢である。
そもそも、分娩台の上での仰臥位の姿勢のほうがやりやすい処置、例えば、分娩監視装置の連続装着や会陰切開、吸引・鉗子分娩などは、全例に行うことに科学的根拠のない処置や、異常のための処置である。けれども、仰臥位産そのものが分娩の生理に反しており、かえって異常を引き起こし得る。起きあがって産むのは、本来あたりまえのお産の姿で、これはコロンブスの卵のようなものであろう。
3
/ 13
自然なお産とおっぱいをめざして
産科医 大野明子からのメッセージ
大野明子のプロフィール
大野明子の著作など
人びとの輪
このサイトについて
サイトマップ
記事検索
copyright © 2003-2011 birth house ASUKA, All Rights Reserved.