明日香医院
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骨盤位外回転術−私たちの実践 無理な力を加えない、早めの週数での外回転術
はじめに
骨盤位分娩と帝切
外回転術施行とその理由
当院における骨盤位外回転術の時期と方法
外回転術の成績
考察
まとめ
臍帯巻絡や臍帯付着部位と、骨盤位あるいは外回転術の関連についても調べた。外回転術施行例のうち臍帯巻絡があったものは62例(27.0%)、非施行例では121例(30.6%)と統計的有意差はないが、多重巻絡のあるものは骨盤位となりにくい傾向があった。また、臍帯辺縁付着の有無と外回転施行の有無にも有意差を認めないが、辺縁付着のあるもので骨盤位となりやすい傾向があった。

以上のような外回転術施行の努力ののち、初産2例が最終的に骨盤位のまま、頭位に修復できなかった。経産では全員が頭位となった。したがって最終的な骨盤位分娩率は0.31%、初産に限れば0.56%である。36週まで外回転術を施行していなければ、全体の3〜4%に相当する19〜26例の骨盤位例数があったと推定すると、修正率は89〜92%程度と算出される。

骨盤位の1例は、本人の都合により27週後半の来院ができず、28週後半に外回転術を施行したが、一度も頭位に修正できなかった。この例で、27週後半に開始していれば頭位となったかどうかは不明である。本人希望にて転院後、予定帝切となった。

もう1例は妊娠27週4日に外回転術開始し、29週5日に3回目の外回転術を施行。その後も週2回の割合で胎位の確認をするも、31週0日に再度骨盤位となったあと外回転術が奏功せず、最終的に骨盤位で満期を迎えた。本人希望にて転院後、妊娠38週0日、2374gのSFD(Small For Dates)女児を経腟自然分娩した。
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