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はじめに
骨盤位分娩と帝切
外回転術施行とその理由
当院における骨盤位外回転術の時期と方法
外回転術の成績
考察
まとめ
外回転術施行とその理由
このような医療および社会的状況下において、満期妊娠の3〜4%を占めるとされる骨盤位分娩への対処法は「転院・搬送率および帝切率を減らし、より安全な経腟分娩をめざす」という当院のお産への取り組みの中で、最重要課題の1つとなる。当院では骨盤位分娩時のダブルセットアップはできないため、骨盤位の経腟分娩トライが医療倫理的に適切かどうかは熟慮すべきで、慎重で公平なインフォームド・コンセントが求められよう。
そのような思考の結果、当院の骨盤位分娩対策の基本方針は、妊娠中期からの外回転術によって骨盤位をなくすことである。
当院では、本稿のための調査対象期間における妊娠36週以降の分娩例640例の中で、帝切率(妊娠のすべての週数における産科的理由による転院・搬送例の中で妊娠36週以降帝切の転帰をとった症例数を、同一期間内に妊娠初期から分娩をお受けし、36週以降分娩となった総分娩数で除したもの)は1.9%(12例)、うち骨盤位を理由とするものは1例(0.16%)であった。なお、前回帝切などはあらかじめお断りしているものの、初産婦が全体の約55%を占め、うち高齢初産が25%あり、あらかじめきわめてロウリスクな妊婦集団ではないことを付言しておく。
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