明日香医院
大野明子の著作など 論文 > 骨盤位外回転術−私たちの実践
骨盤位外回転術−私たちの実践 無理な力を加えない、早めの週数での外回転術
はじめに
骨盤位分娩と帝切
外回転術施行とその理由
当院における骨盤位外回転術の時期と方法
外回転術の成績
考察
まとめ
当院における骨盤位外回転術の時期と方法

初産では妊娠27週5日〜28週0日、経産では妊娠28週なかばまでの間の妊婦健診で胎位を確認し、妊婦にも胎位確認のコツを教え、骨盤位に気づいたら来院するよう伝える。

頭位であれば、その約10日後に再度胎位の確認、3週間後に健診予定とし、そのつど頭位であれば、同じサイクルをもう一度繰り返す。過去に34週0日以降初めて骨盤位となった例はないため、34週以降は2〜3週間ごとの健診スケジュールとする。

妊娠27週5日以降骨盤位であることが発見された場合は、そのつど外回転術を行なう。まず、触診および超音波断層法で、胎位胎向、胎盤の位置、児のおしりの母体骨盤へのはまり具合などを診断する。

外回転術成功のコツは、母体骨盤にはまっている児のおしりを十分に浮かすことである。そこで手技に先立ち、妊婦は、逆立ちや、仰向けに寝て壁に足をもたせかけ腰を浮かすなどの姿勢で腰を振る。児のおしりがはずれたら、術者はおしりを持ち、前回りあるいは後ろ回りのうち、児が回転しやすい方にクルンと回す。約90度回れば、あとは児が自ら頭を下に回転することがほとんどである。

子宮収縮が強いときは、お腹が冷たければアンカなどでまろやかに暖め、その後ブリカニール1アンプルを筋注、なお収縮が強いときはウテメリンを静注する。外回転後は折り畳んだタオル2本を左右の鼠径部の上方に逆ハの字型にあて、腹帯を巻き、児頭の固定を図る。
5 / 10

copyright © 2003-2011 birth house ASUKA, All Rights Reserved.