明日香医院
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おっぱいの話
第1回 子育てはおっぱいから
第2回 おっぱいが出るしくみ
第3回 それぞれのおっぱい
第4回 乳腺炎
第5回 おっぱいが足りない
<その1>
第6回 おっぱいが足りない
<その2>
第2回 おっぱいが出るしくみ
戸井口晃子 第5号, 18ページ, 2000

ヒトは、お産をするとおっぱいが出るようになります。人間の身体のしくみは、本当によくできています。

おっぱいが出るしくみの中でも、ホルモンの役割はたいへん興味深いところです。今回はこのホルモン、すなわちオキシトシンとプロラクチンについてお話します。

プロラクチンは、脳内の下垂体前葉から分泌され、乳腺におっぱいを作るように働きかけるホルモンです。

実は、妊娠中からプロラクチンは分泌されています。けれども妊娠中におっぱいが出ても困ります。そこで、妊娠中は胎盤から分泌されるエストロゲンがプロラクチンの働きを抑えます。赤ちゃんが生まれると、胎盤は役目を終え、体外に排出されます。すると、エストロゲンの分泌量が減り、プロラクチンが、本来の役割を果たします。つまり、「おっぱいを作ろう」と乳腺に働きかけてくれるのです。

さらに、出産後のあたりまえな行動として、赤ちゃんはお母さんのおっぱいを求め、これに対しお母さんはおっぱいをふくませます。この一連の行動は大変重要です。赤ちゃんがおっぱいを吸うことが刺激になって、下垂体後葉からオキシトシンが分泌されます。オキシトシンの役割は、プロラクチンの働きかけでつくられたおっぱいを乳腺から出すことです。まるで噴水のようにおっぱいがわき出すのは、このホルモンのおかげです。
第1回 子育てはおっぱいから   1 / 3

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