明日香医院
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分娩形式はどのように変化するか

はじめに
お産の姿勢
お産の環境
おわりに

したがって、当院の分娩体位の統計が示すことは、産婦のしたいままにまかせた時、仰向けで産む人はきわめてまれ、という事実である。この統計は児娩出時の姿勢についてであるが、陣痛のさなかも、自ら仰向けになる人はほとんどいない。ましてや、大きく足を広げることなどあり得ない。仰向けの姿勢、つまり分娩台でのお産が、産む人にとって快適なものでないことは明らかであろう。


図2 立ち産で振り出す
(写真:宮崎雅子)

セミファーラー位の分娩には、それぞれ理由があった。たとえば、2経産の産婦で、前回2回が仰臥位産である場合、仰向けでいきむことに慣れていて、かつ上手で、ほかの姿勢はしっくりこないことがあった。そこで、得意な姿勢で上手に分娩となった。こういったケースを私たちは習慣性仰臥位と呼んでいる。1回経産婦ではこのような事例はなく、経験数が習慣をもたらすようだ。また自宅の浴槽内での分娩時、浴槽が狭くてそれ以外の姿勢になりえず、セミファーラーのこともあった。

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