明日香医院
大野明子の著作など インタビュー記事 > 卒乳はいつにする?
卒乳はいつにする?
産婦人科医の視点から
■いつやめたらよいのでしょうか?
■卒乳の方法はどうしたらよいですか?
■卒乳には、やはりけじめは必要
【コラム1】 卒乳する時期の目安
【コラム2】 妊娠中の授乳をやめたほうがよい場合
【コラム3】 復職するには、断乳が必要?
卒乳には、やはりけじめは必要

私自身、一人息子が1歳2ヶ月のとき仕事に復帰したくて、断乳したときの経験が忘れられません。女の子より男の子のほうがおっぱいに執着するという話は聞いていましたが、一番大好きなおっぱいを、へのへのもへじを描いて無理やりやめさせてしまったので、かわいそうなことをしたと思っています。

自分のこんな体験があるので、おっぱいは、やめられるときにやめればいいと考えてきましたが、最近ではやはりある程度のけじめも必要かなと考えています。

下の子が生まれてからも、上の子にもおっぱいを飲ませていて、上の子と下の子、二人同時に授乳しているというお母さんもときどきいらっしゃいます。このような飲ませ方を「タンデム授乳」と言いますが、これはお母さんの体力を消耗します。それに何かの都合で上の子が飲まなくなった場合、下の子が飲むだけでは分泌量が多すぎて乳腺炎になることもあります。このような場合には、上の子どもには、「お兄ちゃんになったんだね」と自覚させて、やめさせたほうがよいと思います。

3歳、4歳までおっぱいを飲んでいるお子さんもいらっしゃいます。1歳半から2歳、きちんと自我が育ってきた子どもとは、親が真正面から向き合えば、おっぱいという手段でなくても心が通じ合うはずです。おっぱいやおしゃぶりを与えていても、だんだん子どもの意志はごまかせなくなってきます。

私がお勧めしたい卒乳のタイミングは、子どもが「しゃぶり飲み」をするようになる前、親子で「もういいね」と納得できるときに、さよならできるのがよいと考えています。卒乳したら、残乳を搾るケアを受けることをお勧めします。
6 / 9

copyright © 2003-2011 birth house ASUKA, All Rights Reserved.