明日香医院
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理想の分娩をめざして
お産で一番大切なこと
異常を認める
お産の楽しさ
理想の分娩とは
小さなお産の家
また産みたい
医療者自身が楽しむこと
お産の楽しさ

産む人にとっての楽しさはすなわち、みずからのいのちが新しいいのちを産む喜び、みずからが生きていることを肉体と精神が証明する喜び、いのちの発現の喜び、つまり生物としてもっとも原初の喜びです。医療者にとっての楽しさは、いのちの現場に同席し、何らかの援助ができることの喜びです。助産はきわめて原初の仕事で、その喜びは、人間的で原初的です。

こんなことを書くと、楽しさは安全あってこそ、と反論されるかもしれません。それはもちろん正しいです。けれども、所詮、得られるものは「それなりの安全」にすぎないことを思い知ることも必要だと言いたいのです。

ですから、人の力ではおよそかなわないものがあることを医療者と産む人の双方が認めること、それがまず、お産が人間らしく、楽しいものになる第一条件だと思います。それを認めてもなお、それ以上のたくさんの正常があります。なぜなら、人間が生物として存続、繁殖しているということは、本質的にお産のほとんどが正常であるということです。そういった正常のありのままをいかに楽しむか、さらに人間がかくも精神的な生物である以上、楽しいという精神状態が肉体に作用し、異常域の事象が少なからず正常域へ引き戻される可能性さえあります。
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