明日香医院
大野明子の著作など エッセイ > いのちを産む
いのちを産む
第1回 小さなお産の家
第2回 お産の姿勢
第3回 分娩台はいらない
第4回 起きあがって産む
第5回 200人の赤ちゃん
第6回 お腹を切らずに産む
第7回 帝王切開の理由
第8回 安産法
第9回 自然分娩へのプロセス
第10回 破水と誘発
第11回 陣痛誘発
第12回 サンタさんの贈りもの
第13回 妊婦と旅行
第14回 妊婦の御法度?
第15回 陣痛促進
第16回 お産とお風呂
第17回 産めるのかしら
第18回 不安の解消法
第19回 おっぱいの不思議
第20回 助産婦の仕事
第21回 産科医の仕事
12月15日、お産の家では、赤ちゃんがふたり生まれました。ふたりとも男の子でした。

ひとりは、その産婦さんにとって4人目の赤ちゃんで、出生体重4040グラム、身長54cm。大きくて立派な赤ちゃんです。身長も体重もこれまで明日香医院で生まれた中でとびきりの一番です。もともと少しふくよかだった産婦さんに体重増加ゼロにコントロールしていただいたお陰か、陣痛が始まってから1時間ちょっとの大安産。赤ちゃんが大きいからお産が大変かもと心配していた私には、うれしい誤算でした。

もうひとりは3人目。上はふたりとも女の子、もう小学生です。そして、赤ちゃんの出産予定日は12月25日でした。

昨年のクリスマスのこと、上のふたりのお嬢さんたちは、お友達の家に赤ちゃんが来たことがうらやましくてたまりませんでした。そこで、「クリスマスプレゼントは、赤ちゃんをください」とサンタさんに手紙を書こうとしました。お母さんは、「お母さんのタマゴは古いから、もう無理よ」と話して聞かせ、プレゼントはおもちゃに変更されたのだそうです。

ところが、思いもかけず赤ちゃんがやって来て、半信半疑の彼女は近所に開業したてのお産の家を訪ねてくださったのでした。妊娠をお知らせしたとき、うれしくてたまらないとおっしゃった彼女の笑顔は、記憶の中で印象的です。
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