明日香医院
大野明子の著作など エッセイ > いのちを産む
いのちを産む
第1回 小さなお産の家
第2回 お産の姿勢
第3回 分娩台はいらない
第4回 起きあがって産む
第5回 200人の赤ちゃん
第6回 お腹を切らずに産む
第7回 帝王切開の理由
第8回 安産法
第9回 自然分娩へのプロセス
第10回 破水と誘発
第11回 陣痛誘発
第12回 サンタさんの贈りもの
第13回 妊婦と旅行
第14回 妊婦の御法度?
第15回 陣痛促進
第16回 お産とお風呂
第17回 産めるのかしら
第18回 不安の解消法
第19回 おっぱいの不思議
第20回 助産婦の仕事
第21回 産科医の仕事
第8回 安産法−− 運動と体重調節が基本

前回お話ししたように、帝王切開を減らすためには、まず、難産と骨盤位を減らせばいいことがわかりました。

私たちのところでは、これまで骨盤位分娩はありません。妊娠中にすべて頭位に直してしまうためです。外回転法といって、お腹の上から赤ちゃんのお尻を持ち上げながら回し、頭が下に来るように直します。いろいろコツはありますが、妊娠27週から32週くらいまでの間に行います。いったん直したあとも、また骨盤位に戻ってしまう子どももいます。妊婦さんにもこちらにも根気が必要になりますが、何度でも直します。

外回転法に先だって、赤ちゃんのお尻をお母さんの骨盤からはずすため、お母さんに逆立ちをしてもらいます。できればこのとき腰を振ります。これも立ち産のときと同様、茶筒の原理です。逆立ちを3日間程度続けるだけで、骨盤位が頭位に直ることもしばしばあります。

難産を減らす、すなわち安産で産むためには、もう少し努力が必要です。連載第3回にも書いたように、陣痛のたびに子宮口が少しずつ開き、赤ちゃんは狭い産道をまわりながら降りてきます。このプロセスが順調に進むのが安産です。

陣痛は赤ちゃんを産み出すために必要な力であるだけでなく、赤ちゃんにとってもこの世に生まれ出て適応するために、必要な刺激でもあります。狭い産道を通るとき、赤ちゃんの全身の皮膚は刺激されます。また、胸郭はぎゅっと押し縮められ、その後、胎外に出たとき十分に空気を吸ってふくらみます。
第7回 帝王切開の理由   1 / 3

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