明日香医院
大野明子の著作など エッセイ > いのちを産む
いのちを産む
第1回 小さなお産の家
第2回 お産の姿勢
第3回 分娩台はいらない
第4回 起きあがって産む
第5回 200人の赤ちゃん
第6回 お腹を切らずに産む
第7回 帝王切開の理由
第8回 安産法
第9回 自然分娩へのプロセス
第10回 破水と誘発
第11回 陣痛誘発
第12回 サンタさんの贈りもの
第13回 妊婦と旅行
第14回 妊婦の御法度?
第15回 陣痛促進
第16回 お産とお風呂
第17回 産めるのかしら
第18回 不安の解消法
第19回 おっぱいの不思議
第20回 助産婦の仕事
第21回 産科医の仕事
第13回 妊婦と旅行−−自分で判断、楽しもう

あけましておめでとうございます。楽しい年末年始を過ごされましたか。

ところで妊婦さんたちはしばしば、「旅行に行ってもいいですか」とか「旅行は大丈夫ですか」とお尋ねになります。これは、勤務医時代から今日まで、非常に多い質問です。

こういう質問に出合うたび、おかしなことを聞くものだと、私は不思議な気分になります。なぜ、そんなことに医師の許可を求めるのでしょう。あるいは、未来について「大丈夫」だなんて、いったいどんな予知能力があれば、保証できるのでしょう。許可した旅行で、もし何かあったら、たとえば旅先でその人が転んだりしても、私の責任になってしまうのでしょうか。

ですから、私の答えは決まっています。「行っていいですか」の問いには、「どうぞ行ってらっしゃい。お好きなように」。「大丈夫ですか」には、「未来について大丈夫なんて、だれにも保証できるわけがない。けれども、おうちにいても、旅行に出かけても、何かが起こるときは起こる、同じですよ。どうぞ、楽しんできてくださいな」と。
第12回 サンタさんの贈りもの   1 / 3

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