明日香医院
大野明子の著作など エッセイ > いのちを産む
いのちを産む
第1回 小さなお産の家
第2回 お産の姿勢
第3回 分娩台はいらない
第4回 起きあがって産む
第5回 200人の赤ちゃん
第6回 お腹を切らずに産む
第7回 帝王切開の理由
第8回 安産法
第9回 自然分娩へのプロセス
第10回 破水と誘発
第11回 陣痛誘発
第12回 サンタさんの贈りもの
第13回 妊婦と旅行
第14回 妊婦の御法度?
第15回 陣痛促進
第16回 お産とお風呂
第17回 産めるのかしら
第18回 不安の解消法
第19回 おっぱいの不思議
第20回 助産婦の仕事
第21回 産科医の仕事
第5回 200人の赤ちゃん−−すべてのお産が印象的

この9月、開業以来200人目の赤ちゃんが生まれました。同じ夜、約1時間後、開業以来200番目の産婦さんが201人目の赤ちゃんをお産されました。

「200人目の赤ちゃんを産んだのは、200番目の産婦さんじゃないのですか」とお思いになりますね。実は、この間、双子のお産が一組あったため、赤ちゃんの番号と産婦さんの番号がずれているのです。双子のお産は、下に位置する子どもから、ひとりずつ順番に生まれてきます。ひとりが生まれるといったん陣痛はやみ、その後もう一度陣痛が始まって、もうひとり生まれます。だから、お産は2回と数えます。

200人目の赤ちゃんが生まれた夜は、おりしも中秋の名月。2000年のミレニアム。ちょっとできすぎかもしれないと思いました。深夜、二組のご夫婦とスタッフとで、用意してあったシャンパンを開けました。格別のおいしさと感慨がありました。

自宅専門の開業届を出して以来、ちょうど4年です。当時は千代田区にいたのですが、自宅のマンションに専用電話を1本引き、お産の道具を少しずつそろえるところから始まりました。当該保健所から「出張専門の産科医など前例がないから」と、届けの受理に難色を示されたこと、法律上は問題がないとがんばったことを思い出します。
第4回 起きあがって産む   1 / 3

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