明日香医院
大野明子の著作など エッセイ > いのちを産む
いのちを産む
第1回 小さなお産の家
第2回 お産の姿勢
第3回 分娩台はいらない
第4回 起きあがって産む
第5回 200人の赤ちゃん
第6回 お腹を切らずに産む
第7回 帝王切開の理由
第8回 安産法
第9回 自然分娩へのプロセス
第10回 破水と誘発
第11回 陣痛誘発
第12回 サンタさんの贈りもの
第13回 妊婦と旅行
第14回 妊婦の御法度?
第15回 陣痛促進
第16回 お産とお風呂
第17回 産めるのかしら
第18回 不安の解消法
第19回 おっぱいの不思議
第20回 助産婦の仕事
第21回 産科医の仕事
そして、この高井戸の家に移って1年半が過ぎようとしています。200人の内訳は自宅専門の時代に40人、その後160人です。100番目の赤ちゃんが生まれたのが今年の2月の初めですから、このところ、お世話するお産の数が急速に増えていることになります。

それもそのはず、自宅のお産専門のころは、相棒の助産婦とふたりで、月にお一人かお二人のお世話をしていました。自宅出産を選ぶかたは少数派であるに加え、何の宣伝もしていない無名の私たちのところを訪ねてくださるかたは、かなり偶然的な口コミの結果のみだったためでしょう。めったにお産の依頼はなく、妊婦健診もお一人に1時間程度かけて、本当にゆったりとお世話していました。今振り返れば、古き良き時代とでもいうべきでしょうか。

高井戸に越してからも、宣伝らしい宣伝はしていませんが、私たちのところを訪ねてくださるかたが増えました。小さな家ながら、「お城」ができたためもありましょう。口コミも少しずつ広がっているためもありましょう。また、お産の本を出版したので、それを読んで遠くからいらしてくださるかたもあり、嬉しい悲鳴をあげています。

お産は家族にとっても、妊婦さん自身にとっても、とてもプライベートで大切なできごとです。その大切なお産をともに過ごす介助者として私たちを選んでくださったということだけで、私は無条件に私たちの妊婦さんに感謝の思いでいっぱいになります。お受けしたからには、精いっぱい妊婦さんと赤ちゃんを守り抜こう、お産を守り抜きたいと願います。
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